銘駒の条件

   
お城将棋で使われた駒
江戸時代にお城将棋で使われたとされる駒。資料的な価値が高い。
 
1.将棋の駒に使われる木の種類について

 駒に使われる木が柘植(つげ)が最高級品と言われています。柘植の産地は御蔵島 (島柘植)、薩摩が有名です。中国の柘植もありますが現在は輸出が制限されています。
 島柘植は模様が鮮やかさが特徴です。欠点としては密度が薄い駒(特に斑入り程度のもの)があり、これは価値が下がります。
 薩摩柘植は固く彫り駒に向いていますが、模様の種類があまりありません。これは育成を促進している人工木のためです。主に印鑑の製造に使われています。なので薩摩の杢入りはレアな木地になり人気があります。
 中国柘植は100%自然木です。これまで中国柘植はダメだといった解釈がされてきましたが(一部の盤屋や木地屋が在庫で抱えている国産の木地が売れなくなるので風評していていたらしい)、重量感があり固い木で種類がバラエティに富んでいます。最年、島柘植や薩摩柘植よりいい木地ではないか、という評価が見直されています。欠点としては木地の色がくすむことがあります。
 柘植は駒市場の99.9%を占め、それ以外の木としては柊、ブライヤ(薔薇の根っ子)、銀杏、楓、紫檀、シャム柘植(柘植ではない)が使われています。しかし柘植以外の木はあくまで例外的で価値としては評価されていません。

2.駒木地の種類について

 大きく分けると柾目、杢の2種類があります。更に柾目の中で細かく分類すると、赤柾、糸柾、絹柾、荒柾、流れ柾の5種類に分類されます。ランク的には荒柾<流れ柾<糸柾<絹柾<赤柾(高評価)。ただし、木味によって評価は上下します。更に杢の中で細かく分類すると、根杢、銀目、虎(斑入<虎斑<虎杢)、孔雀杢の4種類に分かれます。

3.駒の種類について

 彫駒、彫埋駒、盛上駒の3種類があります。彫駒<彫埋駒<盛上駒(高評価)の順で評価されていますが、彫りの技術の高い駒師については、彫駒>彫埋駒と評価されることもあります。

4.駒の書体について

 そこそこいい駒になると、王将もしくは玉将の底の部分に駒師の名と書体が明記されています。

 錦旗、菱湖、清安、源兵衛清安、水無瀬、王義之、清定、長禄、安清、水無瀬形、金竜、棋洲、 が代表的な書体です。マイナーな書体では、水無瀬兼成、水無瀬兼俊、羽前、山邨(さんそん)、 無剣、濁紅、董仙、董斎、天童楷書、大山康晴書、原田泰夫書、石橋開雲書等があります。 多くの書体の中では錦旗、菱湖が2つが比較的人気があります。

将棋駒 左が書体、右が名
王将と玉将の底の部分。左が書体、右が名

 

5.駒師の名について

 駒製作を生業とした駒師が存在しています。以下の方々はプロと言われる駒師です。

【明治〜昭和初期】豊島龍山、奥野一香
【明治、昭和〜平成初期】金井静山、宮松影水、木村文俊、初代大竹竹風
【昭和中期〜】恵山、天一、月山、天竜、秀峰、掬水、二代目大竹竹風、児玉龍児
【平成〜】清秋、淘水、思眞

 他にもアマチュアといわれる駒師は多数存在しています。プロとアマの境界は微妙ですが、 駒の量産できる、駒の表現力に幅がある、駒の修復できる、のがプロと言われています。なお、新品の駒の相場をチェックするなら 日本将棋連盟DigitalShopがオススメです。

豊島龍山作清安書
駒として最も評価の高い豊島龍山の駒